学部長あいさつ

市川学部長メッセージ
パンデミックが発生し、地球全体が「不健康」になって、あらためて「健康」や「予防」の意味が問い直される時代になりました。学祖・北里柴三郎が提唱した「予防医学」。この「予防医学」の精神を母体として医療衛生学部が生まれましたが、100年に1度ともいわれる世界的な危機を経験し、学部の存在意義が、いままさに問われていると感じます。答えのヒントになるのが学部名の英字表記にある「Allied Health Sciences」。「allied」すなわち人と人の「結びつき」を追求することが、この学部の使命なのかもしれません。小さなウイルスが教えてくれたのは、たくさんの人々の力を結集しなければ、病に立ち向かうことはできないということ。この学部ではさまざまな学科・専攻・コースを設置し、多様なプロフェッショナルを養成していますが、それぞれの進路もさることながら、力と力を結んでいくことこそが何より重要だと思います。ある人は官公庁で、ある人は民間企業で、そしてある人は医療機関で。さまざまな道に進んだ卒業生が、手を結んで新しい「健康」を作り上げていく。それが、この学部で学んだ人が果たすべき役割なのです。この学部で学ぶことでみなさんは、各分野の専門家になることでしょう。けれども、それはひとつの分野に閉じ込めてしまうことを意味するのではありません。むしろ、分野を超えて自分に何ができるのかを考える、そんな専門家をめざしてほしいと思っています。医療衛生学部で学んでほしいのは、「健康」とは何かを問い、人々がどのように手を結ぶべきか考えること。そんな思いに共感してくれる人を、迎え入れたいと思っています。

医療衛生学部長
市川 尊文
Profile
1986年北里大学医学部卒業。同大学病院研修医終了後、済生会宇都宮病院に内科医として勤務。その後、北里大学大学院医学研究科にて基礎医学研究を開始し、1994年学位取得。北里大学医学部講師、大学院医療系研究科准教授を経て、2012年医療衛生学部教授となり現在に至る。専門分野は、消化器病学、病態生化学。